【ソードワールド2.5】SW2.5の徹底された役割分担によるゲームの陳腐化と、dbdの話

初めに、この記事は"ソードワールド2.5(以下、SW2.5)"の高レベル(Lv11~Lv15)戦闘と、"デッドバイデイライト(以下、dbd)"の両方に理解がある、数少ない人間に向けて書かれている事を述べておく。

 

SW2.5の高レベル戦闘においては、低レベルよりロール(役割)の分担が低レベルより顕著になる。高い経験点により、それぞれの職業がより専門化するからだ。

低レベルであったような、「プリーストがフォースで敵を倒す」という、本来の役割から外れた動きは、前もってそれを行うビルドを組んでいないと、ほとんどの場合は(抵抗や回避の関係で)不可能となる。

 

SW2.5は魔法ダメージが防護点を無視できるというデザイン(魔法攻撃は物理攻撃より優位にある)であるため、徹底した役割分担の行きつく先は当然、「前線をガチガチに固め、後方から火力を放つ」というものになる。 

そうしたパーティ構成に行きついた結果、戦闘そのものが「前衛が破られれば、パーティが崩壊する」「破られなければ、必ず勝つ」というものに変化する。

このようなパーティ構成でプレイすると、前衛の冒険者は隣にいるレッサードラゴンに「かばう」を宣言し、後衛の冒険者は延々と「メテオ」と言い続けるだけとなる。これは実に退屈なことである。

 

この「インペリロードプリライダー(SW2.5における最強のタンク)」を倒せるモンスターはSW2.5のルールブックには存在しないし、倒せるモンスターをフォルトナコード(旧版サプリメント)から持ってこようものなら、それこそインペリロードプリライダーが必須になる。

 

ここでポケモンなら「ガブリアスが強いなら、目覚めるパワー(氷)を持ってこい」だとか、「ガルーラが強いなら、トケトゲメットをつけて来い」と言えるのだが、trpgでそれをする訳にはいかない。

タンク冒険者をやりたいプレイヤーは、タンク冒険者をやるために2時間以上の時間をかけて高レベルのCSを作成している訳で、そこでGMがタンク冒険者を対策して「防護点を半分にしてダメージを与える」なんてモンスターを出すのは、キャンペーンならともかくとして、単発セッションでは顰蹙を買う。

 

ならどうするべきなのか?これはもう「プレイグループによる」としか言えない。というかtrpgの問題は大抵そう。遊んでる人同士で解決してくれ。押し付けると燃える。

最も、個人的には、「バークメイル(SS)」は単発セッションでは費用対効果が高すぎるため、禁止するのが良いと思う。

 

それはそうと、dbdの話である。

dbdのパーティ鯖の「緩い役割分担」という概念は、このゲームをとても面白くしていると思う。

ゲームの性質上、誰かが必ず吊られ、機能停止となる。

そのため、このゲームにおいては徹底した役割分担は悪手なのだ。

 

もちろん「有能の証明」と「逆境魂」を持った発電マンはいるべきだが、残りのパークは「デッドハード」「鋼の意思」辺りにしてチェイスにも対応すべきだし、「与えられた猶予」「決死の一撃」を持った救助マンも、残りのパークは「ベビーシッター」ではなく「デッドハード」と「共感」辺りにするべきだ。

 

この「パーティが必ず十全に機能しない」というゲームデザインは、メタゲームの構築や流行を阻み、ゲームの陳腐化を防いでいると思う。

 

以上