ヴァイスシティから見る、SWの問題点とその解決法1

ゲームブック「ヴァイスシティ」をプレイしていますが、その中で目に付いた問題の話です。

 

まず、遭遇表の多用です。

いわゆるランダムエンカウント要素なんですが、ドラクエのダンジョン内で敵と遭遇して"うれしい"と感じるユーザーはまずいないでしょう。まず感じるのは"面倒くさい"な筈です。草むらという要素を使い、ストレスを軽減したポケモンですら、トレーナーは草むらを避けて歩きます。3D技術の確立以降は、シンボルエンカウントという方式で戦いを避ける選択肢も現れました。

 

これに対し、ヴァイスシティは未だに原初のランダムエンカウントです。しかも戦闘はtrpg故に極めて時間を使います。プレイヤーの寿命はストレスでマッハです。

というか、冒険者の平均レベルや状況から脅威度を計算→遭遇表を振る→出たモンスターをルルブから探す→データを打ち込み配置する。という作業が1回5分とかかかるので、GMの寿命もマッハです。どんだけ入力させるねん。

 

なぜこのようなシステムにしたのか疑問ですし、ひたすら遭遇表を振り続ける「闘技場」「トランプダンジョン」辺りは、本当にそれでプレイヤーが楽しむと思っていたのか?と、開発者を問い詰めたくなります。

 

戦闘の面白さは、選択肢の面白さとおおよそ比例します。この点に関して、ソードワールドの戦闘における選択肢というのは、低レベルに関しては極めて少ないといえます。

ソドワ自体がD&Dを日本人向けにしたもの、すなわちビルド幅を広げ、対して戦闘での選択肢を狭めたものです。日本における戦略・戦術ゲームの過疎具合を見るに、この分析は間違っていないと思います。

この狭められた選択肢を何度も与えるというスタンスは、自らの弱点をひたすら敵に晒すようなものです。

 

ここで解決法として、ボス以外の戦闘を全て省略するという手法があります。これは別GMのヴァイスシティやミストキャッスルでも行われているようで、ソドワのゲームブックのプレイ方法としては一般的なようです。

しかし、ここでまた問題が発生します。敵との戦闘回数が著しく減少すると、冒険者はリソースを吐かなくなります。HPやMPを管理する必要がほとんどなくなるのです。すると、「今はリソースが少ないので街に戻って立て直そう」といったリソース管理、いわゆる冒険らしさが損なわれることとなります。

 

もっとも、リソースを回復するために街に戻ることを選択し、街に戻るだけでも1マスごとにイベント表を振り、そこで更に遭遇し、リアル1時間をかけ街に戻り、アイテムを買い、今まで苦労して戻ってきた道を再び進むという遊びが楽しいかと言われると、そうではないのですが。

 

これら問題点を解決する手法の一つとして、「戦闘をスキップする代わりに、リソースを払ってもらう」という方法があります。HPやMPを支払い、疑似的に「それなりに苦戦して戦った」という状況を作り出すのです。この時のコストの計算は非常に難しいのですが、前衛は最大HPの1/4、後衛はMPの1/4程度などにすると良いかもしれません。

もっとも、戦闘スキップの度にプリーストによる回復が入るのもテンポを損ねますので、もう少しいい方法があるかもしれません。

 

「面倒な戦闘をしたくない」がプレイヤー・GM間でのコンセンサスであることは間違いないと思います。それなりの数ソドワをプレイしましたが、未だに雑魚戦を全てしっかりとプレイしたいというユーザーとは出会った事がありません。おそらくはSNE社員ぐらいでしょう。

この辺り、他のプレイグループはどのように解決しているか、気になるところです。

 

結論、無限に時間を浪費させる遭遇表というシステムに言いたい事はこれです。

 俺たちは遊びがソドワしかない訳じゃないんだぞ

 

自分たちの考えた遊びにプレイヤーがずっと付き合ってくれると思ってる、極めて傲慢なシステムだと感じました。

 

 

次に、依頼システム。

そのうち書きます