「真理」と「真実」と「答え」の違いについて

「真理」と「真実」と「答え」

この3つを正しく使い分けることができるでしょうか?

 

まず「真理」ですが,これは哲学者や錬金術師が探し求め,結局見つからなかった「どんな時でも不変の法則」のことです.

人類は3000年ほど真理について研究していますが,実のところ「人間には愛がある」以外の真理は何一つ見つかってません.

これを見つけるには「ラプラスの悪魔」が必要でしょう.

 

次に「真実」ですが,これは「世間一般に正しいもの」です.自分が生きている範囲では真理のように見なせるものの,時代や場所が変われば真理でなくなるものです.

例えば「人を殺してはいけない」は現代の日本ではおおよそ真理ですが,戦争が始まればその限りではありません.

ちなみに,真実は人によって作られます.大抵の場合,そこに住む人間が最大公約数的な幸福を得られるものが真実とみなされます.

つまり,真実は常識であり,社会規則であり,科学です.

ちなみにこの真実は唯一無二の真理ではないので,時に2つ,時には3つ,時にはそれ無数に存在することもあります.

学校の問題は正解は一つなので,この事に気づいていない人がいますが,世の中のほとんどの問題に完璧な正解はありません.いくつもの正解があるだけです.そもそも,完璧な正解があるなら,問題は既に解決している筈です.

 

最後に「答え」ですが,これは正しさとは何一つ関係ありません.意味は「相手が求めているもの」です.

Q.夜の道路は危険なので気を付けて運転しなくてはならない.

A.× 昼夜問わず気を付けて運転しなくてはならないため.

 極端な例ですが,これが答えです.

この答えをいち早く見つける能力が,一般にコミュニケーション能力と言われていたりします.

時には答えのために,自分の中での正しさを折る必要がある時もあるでしょう.

 

 

という訳で,「真理」と「真実」と「答え」の違いを説明しました.

真実が複数あるという事に気づくまでに,僕は20年ぐらいかかりました.

もっと早く知っていれば… 何かが変わったとは思いませんが.