KPもPLの中の1名であり、楽しむ権利がある。
PLがキャラクターシートを用意するように、KPもシナリオというシートを持つプレイヤーの一人なのだ。
PLが自分のキャラクターの技能や特徴を活かしたいように、
KPもシナリオの山場やシーンを活かしたいと考える。
CoCは調査のゲームだ。
地道な探索により黒幕を明らかにし、対策を練り、最後は打ち倒す。
この一連の流れが面白い。
CoCの戦闘は雑であり、戦略性に欠け、つまらないという人がいる。
確かにフラットな状態で草原で殴り合うにはあまりにつまらないシステムだ。
しかし、それは本質ではない。
先ほども述べたように、CoCは調査のゲームであり、戦闘は重要ではない。
だからこそ、このような雑なシステムで良いのだ。
例えば、ポーカーのゲーム性が簡単すぎるが故に、つまらないという人はあまりいないだろう。
なぜなら金がかかっており、スリルがあるからだ。
CoCの戦闘も同じだ。
今までの調査の積み重ねがかかっており、スリルがあるのだ。
例えば、CoCでSWのようなガチガチの戦闘システムだったとする。
敵の弱点を知り、配置を考え、裏をかき、敵を待ち伏せる。
しかし、敵とはレベル差があり一切攻撃が当たらない。攻撃が通らない。
これこそつまらないだろう。
故に、CoCの戦闘システムは確かにつまらない面もあるが、これで良いのだ。
そして話は変わるが、調査の結果、敵があまりに強大だと判明したとする。
ここで事件を放棄するのはあまりに面白くないので、PLは戦闘を回避しようとする。
例えば館に火を放ったり、罠を仕掛けたりする訳だ。
PLからすれば、考えた作戦が功を制して敵を打ち倒せば面白い訳だが、
KPはつまらないかもしれない。
作ったデータが無駄になるし、何より盛り上がりに欠けるのだ。
ノーリスクでシナリオを突破されたくないという考えが生まれてくる。
もちろんその作戦が上手く行くかにダイスロールを課すだろうが、
それでも戦闘より大幅にリスクが無いものになるのには間違いない。
PLにもシナリオのイベントを潰すべきではないという考えはあるだろうが、
何にしろPLにはシナリオの先や結末を把握する術がないのだ。
意図せずイベントを破壊してしまう事もある。
故にKPには「それはイベントを壊すからやめてくれないか」と言う権利があるが、
PL全員が戦闘を望まぬ中、強引に戦闘に持ち込むのはKPのエゴだろう。
そういった時、PLに歩み寄る姿勢が必要だと思う。
裏技的方法でシナリオを突破されたとしても、
「なかなかやるじゃん」とPLを誉める寛大さが必要なのではないか?と。
ただし、これはKPはPLに対して折れろと言っている訳ではない。
PLと等しくKPにも楽しむ権利がある。
上手く折衷案を見つけられれば良いだろう、という程度の話である。
ここで忘れてはならないのはPLはKPの敵ではないし、
KPはPLの敵ではないという事である。共に卓を囲う仲間だ。
またセッション満足度がゼロサムゲームでない事も忘れてはならない。
KPの我を通したからといって、PLの意見が折れつまらなくなるという事はないのだ。
セッションが最も良くなる方法を共に考えるべきだ。
なお、PLが所持品にアンチ・マテリアルライフルを書き込み、
ほとんど調査せず敵陣に乗り込み一撃で葬った場合は、PLを殴って良いものとする。